今年のD-1には札幌光星中学・高校と北嶺中学・高校の2校から計6チーム30人が参加。論題「日本は小売店の深夜営業を禁止すべきである。是か非か」を巡り、熱戦を繰り広げました。ディベート歴が長い生徒にとっては日頃の鍛錬の腕試しの場として、初級者にとってはステップアップの場として、全員が経験をつかみとって帰る教育的な大会となりました。
反駁の展開が決勝分ける
決勝戦では肯定側がコンビニ経営を念頭に「オーナーの負担軽減」をメリットに掲げ、否定側が「雇用機会の損失」をデメリットとし従業員の働く場がなくなると主張しました。最大の勝負の分かれ目となったのはデメリットの評価でした。
肯定側は深夜営業に携わる従業員の数が明らかにされていないことに加え、仮に職を失う人がいたとしても深夜には介護や警備など慢性的な人手不足に苦しむ職があり、他の業界で再雇用されると主張。主審も肯定側の反駁がジャッジに受け入れられたと説明しました。
一方、主審は判定外のコメントとして、プランは国民の職業選択の自由を脅かしかねない隘路があると指摘。小売店の経営問題を議論しているようで「実は権利の問題を議論していた」と、さらに深い議論を展開できる可能性を示唆しました。
ベスディベは「安定感」が好印象
ベストディベーター賞に輝いた澤田さんは終始安定感のあるスピーチで議論をまとめあげました。決勝の最後のステージという誰もが緊張する場面ながら、過不足なく落ち着いた様子で主張を展開する姿がジャッジの心を射止めました。
準優勝以下の戦績は次の通り。
順位 | チーム名 | 第1試合票数 | 第2試合票数 | 予選票数計 | 第1試合コミ点 | 第2試合コミ点 | 予選コミ点計 |
準優勝 | boar(光星) | 2 | 1 | 3 | 35 | 32 | 67 |
3位 | 北嶺A | 2 | 0 | 2 | 30 | 32 | 62 |
4位 | ウリボウ(光星) | 0 | 2 | 2 | 33 | 28 | 61 |
5位 | 北嶺C | 0 | 1 | 1 | 30 | 33 | 63 |
6位 | 北嶺B | 0 | 0 | 0 | 29 | 27 | 56 |
決勝はジャッジ5人、予選はジャッジ2人で判定し、予選の票数の合計点の上位2チームで決勝戦を行いました。予選の票数計が同数となった場合は、コミュニケーション点の合計で順位を判定しました。